【一覧表】発酵食品の種類!食材別・菌別にわかる身近な13種と選び方

【一覧表】発酵食品の種類!食材別・菌別にわかる身近な13種と選び方

「発酵食品が体にいいって聞くけれど、結局どんな種類があるの?」「毎日の食卓に取り入れるなら、どこから始めればいい?」

そんな疑問にお応えするのが、この記事。日本の伝統発酵食から世界の発酵食までをやさしくお伝えします。

結論からお伝えすると、発酵食品は「特別な健康食」ではなく、日本の食卓と暮らしに昔から溶け込んでいる、いちばん身近な腸活食材。

種類を知って、いろいろな発酵食品を少しずつ選ぶのが、無理なく続けるコツです。

この記事では、食材別・菌別の発酵食品一覧と、身近な13種の特徴、市販品の選び方と注意点を、初心者の方にもわかりやすくお話しします。

武田

武田

スーパーの棚の前で「どれが発酵食品なの?」と迷う方は、本当に多いもの。私が大切にしている「身近な発酵を毎日少しずつ」という視点で、種類の全体像から一緒に整理していきましょう。

読み終わるころには、「今日のスーパーで手に取りたい発酵食品」が、ちゃんと自分の中で見えているはず。

無理せず、自分のペースを大切にしながら、一緒にやさしく整えていきましょう。

この記事の執筆者
武田 貴美江

武田 貴美江

腸セラピー・腸もみサロン「緩(ゆるり)」主宰/腸セラピスト養成講座 講師

セラピスト歴27年以上。8,000人以上の健康をサポートし、150人以上の腸セラピストを育成。著書『神秘の小腸力』。

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目次Outline

発酵食品の種類とは?食材別・菌別にひと目でわかる一覧

発酵食品の種類とは?食材別・菌別にひと目でわかる一覧

はじめに、「発酵食品ってどう分類されるの?」という基本を、ざっくりつかんでおきましょう。

全体像が見えると、毎日の買い物がぐっと楽しくなります。

  • 発酵食品とは?発酵と腐敗の違い
  • 食材別の発酵食品一覧表
  • 発酵食品の分類(菌の種類で考える)
  • 味と香りで見分ける発酵食品の種類
  • 「種類豊富」が腸活の鍵

発酵食品とは?発酵と腐敗の違い

発酵食品とは、カビ・酵母・細菌などの微生物の働きを利用してつくられる食品のこと。

微生物が食べものの成分を分解・変化させる点では、発酵も腐敗も同じしくみです。

人にとって役立つ変化を「発酵」、食べられなくなる変化を「腐敗」と呼び分けているのが一般的な考え方。
同じ牛乳でも、ヨーグルトになれば発酵、傷んでしまえば腐敗というわけです。

和食に使われている味噌、醤油、酢、みりん、酒はすべて発酵食品であり、麹菌は分解力の強い酵素を大量につくると紹介されている。

出典:農林水産省 広報誌aff 2022年11月号「『発酵』の不思議」

食材別の発酵食品一覧表

発酵食品は、もとになる食材で分けると全体像がつかみやすくなります。

食材おもな発酵食品
大豆味噌・醤油・納豆・テンペ
米・穀物甘酒・米酢・みりん・塩麹・パン
乳ヨーグルト・チーズ・発酵バター
野菜ぬか漬け・キムチ・ザワークラウト・すぐき漬け
魚介かつお節・塩辛・くさや・魚醤・なれずし
肉生ハム・サラミ
飲み物・お茶日本酒・ワイン・ビール・紅茶・プーアル茶・コンブチャ
その他酒粕・チョコレート(カカオ豆の発酵)

このうち、毎日の食卓で取り入れやすい身近な13種を、次の章からくわしく紹介していきます。

お酒は発酵食品ですが、腸活のために飲む必要はありません。

発酵食品の分類(菌の種類で考える)

発酵食品は、発酵に使われる微生物の種類でざっくり3つに分けられます。

微生物おもな菌代表的な食品
カビ麹菌・かつお節のカビ・チーズのカビ味噌・醤油・甘酒・かつお節・カマンベール
酵母パン酵母・酒の酵母パン・日本酒・ワイン・ビール
細菌乳酸菌・納豆菌・酢酸菌ヨーグルト・ぬか漬け・キムチ・納豆・お酢

味噌や醤油のように、麹菌・酵母・乳酸菌など複数の微生物がリレーのように働く食品も少なくありません。

菌の種類で違う働きをするので、いろんな種類を組み合わせて取り入れるのが腸活のコツです。

味と香りで見分ける発酵食品の種類

菌の名前を覚えなくても、発酵食品は味や香りで種類の見当をつけることができます。

口に入れたときの感じ方と、かかわる菌の関係をまとめました。

味・香りの特徴おもにかかわる菌食品の例
さわやかな酸味乳酸菌ヨーグルト・ぬか漬け・キムチ・ザワークラウト
ツンとした酸味酢酸菌お酢・コンブチャ
深いうま味麹菌味噌・醤油・塩麹
やさしい甘み麹菌米麹の甘酒・みりん
ふくらむ香り酵母パン・日本酒
粘りと独特の香り納豆菌納豆
いぶした香りとうま味カビ(カツオブシカビ)かつお節

味噌や醤油のように、うま味と酸味と香りが重なっている食品は、いくつもの菌が働いているしるし。

「酸っぱいものが苦手」「甘いものが好き」など、自分の好みの味から発酵食品を選ぶと、無理なく種類を広げられます。

家族で食べるときは、「これは酸っぱいから乳酸菌かな」と味から菌を当ててみるのも楽しい時間。子どもと一緒なら、発酵の種類を覚える食育にもなります。

まずは今日の食卓にある発酵食品を1つ選び、どの味がいちばん強いかを感じてみるところから始めてみてください。

酸味が強くて食べにくいものは、ごはんや汁物と合わせると口あたりがやわらぎます。

好きな味が見つかったら、同じ菌がかかわるほかの食品にも手をのばしてみると、種類が自然と広がっていくもの。

「種類豊富」が腸活の鍵

結論からお伝えすると、発酵食品は「1つを大量に」より「いろいろを少しずつ」が腸活のコツ。

同じ発酵食品ばかりだと、お腹の中の菌のバリエーションが偏りがち。

日本の発酵食を中心に、世界の発酵食もときどき取り入れる発想で、自分のフローラを豊かに育てていきましょう。

発酵食品選びのキーワードは「いろいろ」「少しずつ」「毎日」の3つ。
完璧主義は禁物。気楽に、暮らしのなかで自然と回せる種類数を意識してください。

日本の食卓に根づく味噌・納豆・漬物など伝統発酵食品7種

日本の食卓に昔から溶け込んできた代表的な発酵食品7つを整理しました。

スーパーやコンビニで手軽に手に入るものばかり。

気になるものから1〜2つ、無理なく取り入れてください。

  1. 味噌
  2. 醤油
  3. 納豆
  4. ぬか漬け
  5. 甘酒
  6. お酢
  7. かつお節

1. 味噌

日本の食卓の王様といえる味噌。

大豆と麹からつくられる伝統発酵食。

米麹の米味噌、麦麹の麦味噌、大豆だけでつくる豆味噌など、地域や好みでさまざまな種類があります。

お味噌汁を1日1杯、という習慣が腸活の入り口に。
原材料に「大豆・米・塩」などのシンプルなものを選ぶのが、本物の発酵を取り入れるコツでしょう。

2. 醤油

毎日の調味料として欠かせない醤油。

大豆と小麦で麹をつくり、塩水と合わせて発酵・熟成させた日本の宝物。

本醸造のお醤油を選ぶと、より深い旨みと発酵の力が活き、刺身や卵かけご飯まで、和食の腸活を支えてくれます。

武田

武田

原材料表示で「大豆・小麦・食塩」のシンプルなものを選ぶのが本物を選ぶコツ。表示に麹の文字がなくても、麹はこの原料からつくられています。丸大豆のお醤油もおすすめ。

3. 納豆

朝食の定番の納豆は、納豆菌で発酵させた大豆食品。

納豆菌は熱や酸に強い菌として知られ、腸まで届きやすいとも言われています。

1日1パックを目安に、毎朝の食卓に取り入れてみてください。

そのままご飯にかけるのはもちろん、お味噌汁・卵焼き・パスタに混ぜるアレンジも楽しいもの。
ねばねばが苦手なら、加熱して食べる方法もあります。

4. ぬか漬け

植物性乳酸菌をふくむぬか漬け。

きゅうり・大根・人参など、季節の野菜を漬けるだけの伝統食。

市販品でも美味しいものがありますが、ぬか床を自分で育てる楽しみもおすすめ。

ぬか漬けの植物性乳酸菌は、動物性乳酸菌(ヨーグルトなど)より腸まで届きやすいとも言われます。
きゅうり・大根・人参・ゆで卵まで漬けられ、毎日少量をご飯のお供にどうぞ。

5. 甘酒

「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒。

米麹甘酒はノンアルコールで、お子さんから高齢の方まで楽しめます。

朝食のおともや、おやつタイムに小さなコップ1杯、原材料が「米麹・米・水」のみのシンプルなものを選んでください。

夏は冷やして、冬は温めて、年中楽しめるのも甘酒の魅力。
糖質量に注意しながら、おやつや砂糖入り飲料の代わりに取り入れるとちょうどよいはず。

6. お酢

料理に欠かせないお酢。

米酢・黒酢・りんご酢など、用途で選び分けるのが楽しい発酵食。

酢酸菌の働きでつくられ、サラダのドレッシング、煮物の隠し味、ピクルス作りに活躍します。

米酢は和食、黒酢は中華、りんご酢はサラダや飲み物に。
用途で使い分けると、料理のバリエーションが広がります。お酢を直飲みする時は必ず水で薄めてください。

7. かつお節

意外と知られていないのがかつお節も発酵食品であること。

とくに「本枯節」は、カビ付けをくり返して仕上げる日本独自の保存食です。

節類はかつおなどの赤身魚の頭と内臓を除去した身を、燻(いぶ)してよく乾燥させ、カビ付けして発酵させた食品群である。

2回以上カビ付けした節を「本枯節」と呼ぶ。

出典:農林水産省「うちの郷土料理 伝統食品の分類 節類」

カビ付けをしていない「荒節」もあり、削り節のパッケージに「本枯節」と書かれているかどうかで見分けられます。

お味噌汁の出汁、おひたしのトッピング、卵焼きの味付け。

毎日の和食に自然と組み込まれている縁の下の力持ち。

みりん・塩麹・酒粕など、ほかの和の発酵食品

発酵食品特徴使い方の例
みりん(本みりん)もち米と米麹を焼酎で熟成煮物・照り焼きの甘みとツヤに
塩麹米麹と塩と水を発酵肉や魚の下味、野菜の浅漬けに
酒粕日本酒をしぼったあとの粕粕汁・甘酒に(アルコールに注意)
すぐき漬け・しば漬け乳酸発酵の京漬物ご飯のお供に少量
日本の発酵食7つのうち、まず狙いたいのは「味噌・納豆・ぬか漬け」の3つ。
この3つを土台に、みりんや塩麹を料理に使えば、日本の発酵腸活の幅がぐっと広がります。

同じ名前でも種類が分かれる発酵食品

味噌や醤油は、同じ名前でも原料や作り方によって、いくつもの種類に分かれます。

売り場で迷わないよう、代表的な分かれ方を整理しておきましょう。

食品おもな種類違いと使い分け
味噌米味噌・麦味噌・豆味噌・調合味噌使う麹の違い。甘口の白味噌から、色の濃い赤味噌まで
醤油こいくち・うすくち・たまり・さいしこみ・しろ色や香りの違い。料理の仕上がりの色で使い分ける
お酢米酢・穀物酢・黒酢・りんご酢などの果実酢原料の違い。和食には米酢、サラダには果実酢など
漬物ぬか漬け・すぐき漬け・しば漬け・浅漬け乳酸発酵させたものと、調味液に漬けただけのものがある
かつお節本枯節・荒節カビ付けをして仕上げたものが本枯節

たとえば醤油のうすくちは、色が淡いぶん塩分も少ないと思われがちですが、そうとは限りません。

名前の違いを知っておくと、料理に合わせて選べるうえ、「いつもと違う種類を1つ試す」楽しみも増えていきます。

種類を広げたいときは、いつもの味噌を使い切ったタイミングで、次は麦味噌にしてみるなど、1つずつ替えていくのがおすすめ。合わせ味噌のように、2種類を混ぜて使うのも気軽な方法です。

地域ごとに好まれる味噌や醤油の種類がちがうのも、日本の発酵食品のおもしろいところ。

旅行先で地元の味噌や醤油を1つ買って帰るのも、種類を広げる楽しいきっかけになります。

世界で親しまれるヨーグルトやキムチなどの発酵食品6種

世界で親しまれるヨーグルトやキムチなどの発酵食品6種

日本以外にも、世界中に伝統的な発酵食品が存在します。

料理のバリエーションとして、ときどき取り入れると食卓が楽しくなります。

  1. ヨーグルト(ヨーロッパ・中東)
  2. チーズ(ヨーロッパ)
  3. キムチ(韓国)
  4. ザワークラウト(ドイツ)
  5. テンペ(インドネシア)
  6. コンブチャ(東アジア発祥とされる・諸説あり)

1. ヨーグルト(ヨーロッパ・中東)

世界中で愛されるヨーグルトは、乳酸菌で発酵させた乳製品。

朝食の定番として、ナッツやフルーツと組み合わせるとさらに豊かに。

砂糖無添加・プレーンタイプを選ぶのが基本。

菌の種類が異なる複数のヨーグルトを週替わりで試すと、自分のお腹と相性のいいものが見つけやすくなります。
乳製品が合わない方は豆乳ヨーグルトも選択肢です。

2. チーズ(ヨーロッパ)

古くからの保存食であるチーズは、乳酸菌やカビなど、種類によって違う菌で発酵させます。

ナチュラルチーズはより発酵の力を感じやすい選択。

少量を楽しむのがコツ。

カマンベール・ブルーチーズ・ゴーダ・モッツァレラなど、種類で違う菌が活きています。
塩分や脂質が多めなので、量を決めて少しずつ楽しんでください。

3. キムチ(韓国)

韓国の食卓を彩るキムチ。

乳酸菌発酵の野菜料理。

市販のキムチには、発酵させたものと、調味液で漬けた浅漬けタイプがあります。

武田

武田

キムチには白菜・大根・きゅうりなどバリエーション豊富。辛味が苦手な方や、お子さんには「マイルド」タイプから始めてみてください。納豆と合わせた「キムチ納豆」も、発酵食品を2種類一度にとれる人気の組み合わせ。

4. ザワークラウト(ドイツ)

ドイツの伝統食ザワークラウトは、キャベツを乳酸発酵させたシンプルな漬物。

ソーセージや煮込み料理の添え物として、酸味と発酵の旨みを加えてくれます。

日本のぬか漬けに近い役割。

市販品もありますが、キャベツと塩だけで自家製できるシンプルさも魅力。
つくるときは清潔な容器を使い、においや見た目がおかしいときは食べないようにしてください。

5. テンペ(インドネシア)

インドネシアの大豆発酵食品テンペ。

テンペ菌(クモノスカビの仲間)で発酵させた、ブロック状のしっかりした食感。

炒め物・サラダのトッピング・スープに加えると、独特の旨みと食べ応えがプラスされます。

納豆のような糸引きはなく、食感はしっかりめ。
スーパーで見つけにくい場合は、自然食品店やオンラインショップで手に入ります。

6. コンブチャ(東アジア発祥とされる・諸説あり)

近年人気のコンブチャ(紅茶きのこ)は、紅茶や緑茶に糖を加え、酵母と酢酸菌で発酵させたドリンク。

発祥は東アジアとされますが、諸説あります。

炭酸入りの爽やかな酸味で、おしゃれなカフェ風ドリンクとして楽しめます。

世界の発酵食は、料理のバリエーションとして取り入れるのがおすすめ。
日本の発酵を土台にしつつ、週1〜2回、世界の発酵を食卓に並べると、暮らしの楽しさも広がります。

13種類を表でまとめておく

日本+世界の発酵食品13種を、ひと目で見られるよう整理しました。

カテゴリ食品主な菌生きた菌
日本味噌・醤油・甘酒麹菌(味噌・醤油は酵母・乳酸菌も)製品による(醤油は火入れされたものが多い)
日本納豆納豆菌残っている
日本ぬか漬け乳酸菌残っている
日本お酢酢酸菌ほとんど残らない
日本かつお節カツオブシカビ(本枯節)残らない
世界ヨーグルト・チーズ乳酸菌(チーズはカビも)ヨーグルトは残っている
世界キムチ・ザワークラウト乳酸菌発酵タイプは残っている
世界テンペテンペ菌加熱して食べる
世界コンブチャ酵母・酢酸菌製品による

表の中の「主な菌」欄を見ると、菌のバリエーションがわかります。

1週間スパンで「日本の発酵3つ+世界の発酵1つ」を巡るくらいが、無理なく続けられる目安。

売り場ごとに見つける発酵食品の地図

発酵食品は、スーパーの中でいろいろな売り場に分かれて並んでいます。

どこに何があるかを知っておくと、いつもの買い物のついでに種類を増やしやすくなるはず。

売り場見つかる発酵食品見るときのポイント
調味料の棚味噌・醤油・お酢・みりん・塩麹原材料と、醤油の「本醸造」などの表示
豆腐・納豆のコーナー納豆、店によってはテンペもたれの量や、ひきわり・小粒など粒の大きさ
漬物のコーナーぬか漬け・キムチ・すぐき漬け「発酵」「乳酸発酵」の表示があるか
乳製品の棚ヨーグルト・チーズプレーンか加糖か、ナチュラルかプロセスか
乾物の棚かつお節・削り節「本枯節」かどうか
飲み物の棚甘酒・コンブチャ米麹か酒粕か、糖分の量
加工肉の棚生ハム・サラミ塩分が多め。妊娠中は避けたい食品も
パンの売り場パン原材料の「イースト」「酵母」の表示

1回の買い物で、いつもと違う売り場から1品だけ手にとってみると、1か月で自然と種類が増えていきます。

よくあるのが、「発酵食品コーナーを探したけれど見つからなかった」という声。発酵食品は1か所にまとまっていないことが多いので、表を手がかりに売り場を回ってみてください。

慣れてきたら、表の右の列を見ながら、同じ売り場の中で表示をくらべて選んでみましょう。

買い物メモに売り場の名前も書いておくと、回り忘れを防げます。

発酵食品の種類ごとの選び方と食べるときの注意点

発酵食品は種類が多いぶん、選び方と食べ方のポイントを知っておくと安心。

ここでは、市販品の選び方と、気をつけたいことを整理しておきます。

  • 生きた菌が残るもの・残らないもの
  • 味噌汁は火を止めてから味噌を溶く
  • 市販品は原材料表示で選ぶ(味噌・キムチ・お酢)
  • 「本物」と「〜風」を見分ける表示
  • 塩分・薬・アレルギーで気をつけたいこと
  • 妊娠中や小さな子どもがいるときの注意
  • 高齢の家族と子どもに合わせる選び方
  • 食物繊維と組み合わせる食べ方
  • 1週間で巡る発酵ローテーションの例
  • 種類ごとに違う発酵食品の保存のしかた

生きた菌が残るもの・残らないもの

発酵食品には、生きた菌を食べられるものと、つくる途中や加熱で菌が残らないものがあります。

納豆・ぬか漬け・プレーンヨーグルト・発酵タイプのキムチは、生きた菌をとりやすい代表。

パン・醤油・かつお節・加熱した味噌汁などは、菌そのものより、発酵でうまれた旨みや風味を楽しむ食品と考えるとわかりやすいでしょう。

菌が生きていないから意味がない、というわけではありません。
発酵でうまれた成分も、毎日の食卓を豊かにしてくれる大切な要素です。

味噌汁は火を止めてから味噌を溶く

多くの菌は加熱で死んでしまいますが、発酵でうまれた旨みや香りは料理に残るので、温かい味噌汁も毎日の発酵習慣として十分です。

  1. 鍋で具を煮て、しっかり火を通す
  2. いったん火を止める
  3. お玉に味噌をとり、少しずつ溶き入れる
  4. 温め直すときは、沸騰させないように弱火で

味噌を入れたあとに沸騰させないのは、香りや風味を活かすための昔からの知恵。

よくあるのが、「菌が死ぬなら意味がない」と考えて、味噌汁をやめてしまうケース。

神経質になりすぎず、続けやすさを大切にしてみてください。

市販品は原材料表示で選ぶ(味噌・キムチ・お酢)

食品選ぶときに見るところ
味噌原材料が「大豆・米(麦)・食塩」などシンプルか。「酒精」は発酵を止める目的で加えられることがある
キムチ「発酵」「乳酸発酵」などの表示があるか。調味液で漬けただけの浅漬けタイプもある
お酢米酢・純米酢など、原料がわかるものを
ぬか漬け原材料が「野菜・米ぬか・食塩」などシンプルか
ヨーグルト「プレーン」「砂糖不使用」の表示を
甘酒「米麹」が原料のものか。酒粕の甘酒はアルコールをふくむことがある

「アミノ酸等」「保存料」「着色料」が多いものは、加工度が高めの目安。

迷ったときは、原材料がシンプルなものを選べば大きく外しません。

「本物」と「〜風」を見分ける表示

発酵食品の中には、名前が似ていても、発酵させずに味を近づけた「〜風」の商品もあります。

原材料と一緒に見ておきたい表示を、表にしました。

食品見ておきたい表示見分け方
みりん「本みりん」か「みりん風調味料」か米麹でつくるのが本みりん。みりん風調味料は、糖類などで味を近づけたもの
醤油「本醸造」「混合醸造」「混合」本醸造は、麹で発酵・熟成させる昔ながらの作り方
お酢「醸造酢」か「合成酢」か醸造酢は、原料を発酵させてつくったお酢
チーズ「ナチュラルチーズ」か「プロセスチーズ」かプロセスチーズは、ナチュラルチーズを加熱して固め直したもの
ヨーグルト「種類別」の欄の「はっ酵乳」などの表示種類別の名前を見ると、どんな乳製品として売られているかがわかる

「〜風」の商品がよくない、というわけではありません。

料理の目的や好みに合わせて選べばよく、発酵食品として取り入れたいときに、表示を手がかりにすれば十分です。

たとえばみりん風調味料は、アルコールをほとんどふくまないため、子ども向けの料理に使いやすいという面もあります。どちらを選ぶかは、家族の食卓に合わせて決めてみてください。

迷ったら、まずは毎日使う醤油の表示から見てみると、いつもの1本が「本醸造」かどうかがすぐにわかります。

こうした表示は、商品の裏の「名称」や「原材料名」の近くに書かれていることが多いもの。

塩分・薬・アレルギーで気をつけたいこと

味噌・醤油・漬物・チーズなどは、塩分が多くなりやすい発酵食品です。

厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」(2025年版)では、食塩摂取量の一日あたりの目標量は成人男性が7.5g未満、女性が6.5g未満です。

出典:農林水産省「食塩の取りすぎに注意」

また、血液を固まりにくくする薬(ワルファリン)を飲んでいる方は、納豆に注意が必要です。

ところが、納豆には、ビタミンKや、大腸でビタミンKを産生する納豆菌が多く含まれているため、ワルファリンの血液を固まりにくくする作用を弱めてしまいます。

出典:PMDA(医薬品医療機器総合機構)「くすりQ&A」

  • ワルファリンを飲んでいる方:納豆は控え、ほかの食品も医師・薬剤師に確認
  • 乳アレルギーの方:ヨーグルト・チーズを避ける
  • 大豆・小麦アレルギーの方:味噌・醤油・納豆・テンペの原料を確認
  • お酒を控えている方:酒粕・みりん・酒粕の甘酒に注意

妊娠中や小さな子どもがいるときの注意

妊娠中は、加熱殺菌していないナチュラルチーズや生ハムに注意が必要とされています。

妊娠中は一般の人よりもリステリア菌に感染しやすく、赤ちゃんに健康上の影響がでる可能性がありますので、これらの食品を食べるのは避けましょう。

出典:農林水産省「これから赤ちゃんを迎えるご家庭のための食中毒予防」

小さな子どもには、塩分の多い漬物や辛いキムチは少量にし、甘酒は米麹のものを選ぶと安心。

はちみつ入りの発酵食品は、1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。

心配なことがあるときは、医師や管理栄養士に相談してください。

高齢の家族と子どもに合わせる選び方

家族の発酵食品は基本的に同じ種類でよく、塩分と刺激の強さを一人ずつ調整すれば十分です。

家族選び方の例
小さな子ども甘めの味噌汁、マイルドなキムチを少量、米麹の甘酒
高齢の家族塩分控えめの味噌、飲みやすい甘酒、やわらかいひきわり納豆
塩分を控えている家族漬物や醤油は量を決め、お酢やかつお節の旨みで味を補う

お子さんとの味噌作り体験も、食育としておすすめ。

「自分で作った」という特別感から、苦手な食べものに手がのびるきっかけになることもあります。

食物繊維と組み合わせる食べ方

発酵食品は、食物繊維の多い食材と一緒にとるのがおすすめ。

味噌汁にわかめやきのこ、ヨーグルトにバナナやきな粉、納豆にオクラやめかぶ、といった組み合わせです。

食物繊維の多い食材は、食物繊維の多い食べ物で一覧にしています。
発酵食品と同じく、いろいろな種類を少しずつ組み合わせてみてください。

1週間で巡る発酵ローテーションの例

13種類を毎日すべて食べる必要はなく、1週間で「日本の3つ+世界の1つ」を巡るくらいで十分です。

曜日取り入れる発酵食品の例
月わかめの味噌汁
火オクラ納豆
水きゅうりのぬか漬け
木きのこの味噌汁
金バナナをのせたプレーンヨーグルト(世界の発酵)
土塩麹で下味をつけた焼き魚
日好きなものを1つ、またはお休み

よくあるのが、「毎日すべてそろえなきゃ」と思いこんで、3日目に疲れてしまうパターン。

「1週間で何種類食べたか」を数えてみると、自然にバリエーションが増えていくもの。

表はあくまで一例なので、家にあるものに置きかえて気楽に回してください。

種類ごとに違う発酵食品の保存のしかた

発酵食品は種類によって、向いている保存のしかたがちがいます。

買ってきたあとに迷いやすいものを、表にまとめました。

発酵食品保存のしかたひと工夫
味噌冷蔵庫で保存する表面を平らにならし、ラップをかけると乾きにくい
醤油開封後は冷蔵庫に入れると風味が保ちやすい小さめのボトルを選ぶと、使い切りやすい
本みりん常温の涼しい場所で保存する冷蔵庫に入れると、糖分が固まって出てくることがある
お酢常温で、日の当たらない場所にキャップをしっかり閉めて、香りを逃がさない
納豆冷蔵庫で保存する食べきれないときは、パックごと冷凍もできる
ぬか漬け・キムチ冷蔵庫で保存する日がたつと酸味が増すので、酸っぱくなったら炒め物に
かつお節開封後は袋の口を閉じて冷蔵か冷凍小袋タイプなら、1回で使い切れる
甘酒・ヨーグルト冷蔵庫で保存する開けたら表示を見て、早めに飲み切る・食べ切る
チーズ冷蔵庫で、切り口をラップで包む乾きやすいので、使う分だけ切り分ける

どの食品も、パッケージに書かれた保存方法と期限を確かめるのが基本。

においや見た目がいつもと違うと感じたら、無理に食べないようにしてください。

種類を増やすと、冷蔵庫の中が発酵食品でいっぱいになりがち。新しい種類は小さいサイズから買い、使い切ってから次の種類に進むと、保存に困りません。

保存のしかたを家族と共有しておくと、誰が使っても同じように扱えて安心です。

腸セラピストが伝える発酵食品の種類の楽しみ方

腸セラピストが伝える発酵食品の種類の楽しみ方

これまでの現場で多くのお客様と向きあってきて思うのは、発酵食品を楽しまれている方ほど、「暮らしを愛おしむ気持ち」が深まっていらっしゃるということ。

  • お客様がつまずきやすい種類と始め方
  • 種類を広げた方からよく聞く声
  • 苦手な発酵食品を料理にまぜるアレンジ
  • 発酵は「待つこと」を教えてくれる
  • 自家製発酵で暮らしが豊かに
  • もっと深く腸活食を学びたいなら

お客様がつまずきやすい種類と始め方

サロンでよくうかがうのが、「納豆のにおいがどうしても苦手」というお悩み。

そうした方には、まず味噌汁やヨーグルトなど、抵抗の少ない種類から始めることをおすすめしています。

「納豆は無理だけど、キムチ納豆なら食べられた」「ひきわり納豆を卵焼きに混ぜたら気にならなかった」と話してくださる方もいます。
食べてお腹が張るように感じたら、量を減らしたり種類を変えたりして、自分の体と相談しながら進めてみてください。
苦手なもの始めやすい代わりの種類
納豆のにおい味噌汁・ヨーグルト・ひきわり納豆の卵焼き
ぬか漬けの酸味浅めに漬けたもの・塩麹の浅漬け
ヨーグルトの酸味甘酒を少し混ぜる・豆乳ヨーグルト

種類を広げた方からよく聞く声

種類を少しずつ広げていった方からは、こんな声をよく聞きます(どれも個人の感想です)。

広げた種類よく聞く声
いつもの米味噌に、麦味噌をプラス「味噌汁の味が日替わりになって、朝が楽しみになった」
浅漬けキムチから、発酵タイプのキムチへ「酸味が強くなっていく変化がおもしろい」
削り節を、本枯節に「だしの香りがちがうので、汁物の塩を控えめにできた」
納豆が苦手で、テンペをためした「においが気にならず、炒め物なら家族も食べてくれた」
プレーンヨーグルトを、週替わりで2種類「酸味のちがいで、好みのものがはっきりした」
塩麹に加えて、しょうゆ麹も「冷ややっこや卵かけごはんの味が変わって、家族にも好評だった」

どの声にも共通するのは、一度にたくさん増やしたのではなく、いつもの1品を別の種類に置きかえていること。

種類が1つ増えるごとに、料理や会話のネタが増えていくのも、発酵食品ならではの楽しさです。

種類を広げてお腹が張るように感じたときは、その種類をいったんお休みして、食べ慣れたものに戻してかまいません。体の様子を見ながら、自分のペースで広げていってください。

どの種類から広げるか迷ったら、毎日使う味噌か醤油を1つ替えるのが、いちばん手軽な入り口。

新しい種類を試した日は、家族に「どう?」と感想を聞いてみると、続けるかどうかを決めやすくなります。

苦手な発酵食品を料理にまぜるアレンジ

苦手な発酵食品は、無理にそのまま食べず、いつもの料理にまぜてみるのもひとつの方法です。

苦手なものまぜる料理の例
納豆オムレツや卵焼きに
キムチチャーハンやスープに
味噌ポタージュやシチューの隠し味に少量
ヨーグルトカレーの仕上げや、サラダのドレッシングに

すべての種類を試す必要はなく、「自分が美味しく続けられるもの」を選ぶのがいちばん大切。

食べてお腹が張るように感じたら、量を減らして様子を見てください。

発酵は「待つこと」を教えてくれる

発酵食品の作り方は、どれも「菌を入れて、待つ」という工程の繰り返し。

味噌は半年〜1年、ぬか床は毎日手をかけて育てるもの。

「ゆっくり育てる時間」を楽しめる人ほど、お腹のケアも焦らず続けていらっしゃる印象があります。
菌たちの時間に合わせる感覚は、自分の暮らしを穏やかに整えるヒントにもなるはず。

自家製発酵で暮らしが豊かに

市販品から始めて慣れてきたら、ぬか床作り・甘酒作り・ヨーグルト作りなど、自家製の発酵にも挑戦してみてください。

菌と暮らす時間は、毎日の食卓を季節とともに楽しむ豊かな時間に変わっていきます。

失敗しても大丈夫。「次は塩を増やそう」「温度を変えよう」と試行錯誤する時間そのものが、暮らしを豊かにしてくれます。
においや色がおかしいと感じたら、無理に食べずに処分してください。

もっと深く腸活食を学びたいなら

もし、もっと体系的に腸活食を学んでみたくなったら、発酵食品の効果や善玉菌を増やすにはもあわせてご覧ください。

食事とあわせてお腹にふれるケアを知りたい方は、腸もみの効果も参考になります。

武田

武田

「自分の食卓だけでなく、人のお腹も整えてあげたい」と感じた方には、長年の豊富な現場経験を体系化した腸セラピスト養成講座もご用意しています。資格について知りたい方は腸セラピストの資格もどうぞ。

発酵食品の種類と取り入れ方に関するよくある質問

買い物や台所でよく出てくる疑問に、短くお答えします。

毎日全部食べたほうがいい?頻度の目安や注意点を教えてください

13種類すべてを毎日食べる必要はありません。

「日本の3つ+世界の1つ」を1週間で巡るくらいの気楽さで十分です。

加熱すると発酵の力は弱まる?気になっているので教えてください

多くの菌は加熱で死んでしまいますが、旨みや香りの成分は料理に残ります。

味噌は火を止めてから溶くと、風味が活きた一杯に。

市販品でも本物の発酵食品はある?毎日の食事に取り入れるコツを知りたいです

あります。

原材料表示を見て「シンプルな材料」のものを選ぶのが基本で、くわしくは「市販品は原材料表示で選ぶ」の表を参考にしてください。

発酵食品が苦手な人はどうする?くわしく知りたいです

すべての種類を試す必要はなく、「自分が美味しく続けられるもの」を選ぶのがいちばん。

料理にまぜると食べやすくなるものもあります。

かつお節や醤油にも、生きた菌は残っているのですか?

かつお節には菌は残らず、醤油も火入れされたものが多いとされています。

菌そのものより、発酵でうまれた旨みや風味を楽しむ食品と考えましょう。

発酵食品の種類を知って、毎日いろいろ少しずつ取り入れる

発酵食品の種類を知って、毎日いろいろ少しずつ取り入れる

発酵食品は、特別なヘルシーフードではなく「日本の暮らしの当たり前」そのもの。

今日から始められる小さな流れを、最後にまとめておきます。

  • 食材別・菌別の一覧で、発酵食品の種類の全体像をつかむ
  • 味噌・納豆・ぬか漬けの3本柱を毎日
  • お醤油・お酢・かつお節で和食を楽しむ
  • ヨーグルトやキムチで世界の発酵も
  • 原材料表示で「シンプル」を選ぶ
  • 塩分・薬・アレルギー・妊娠中の注意を知っておく
  • 1週間で日本3+世界1のローテーション

この7つを意識すると、発酵食品が「健康食」ではなく「日常の小さな楽しみ」に変わっていきます。

武田

武田

家族に発酵食を伝えたくなったら、週末に1品、「これは何の発酵?」と当てっこしながら食べてみてください。食卓の会話が、いちばんの入り口になるはず。

お腹の中で菌たちがどう暮らしているのか気になった方は、次に腸内フローラとはを読むと、いろいろな発酵食品を選ぶ理由がもっと見えてきます。

無理のないペースで、発酵と一緒に暮らす時間を、これから少しずつ楽しんでみてください。

明日の食卓は、今日の発酵が育てるもの。

「自分の手で、誰かの役に立てたら」

その気持ち、本物にしませんか。

未経験から始められる、腸セラピスト養成講座。短期集中2日、何度でも無料でリピート受講できます。いきなり独立しなくて大丈夫。副業から始める卒業生が大半です。

この記事を書いた人

武田 貴美江

武田 貴美江

セラピスト歴は27年以上。腸セラピーサロン「緩(ゆるり)」を開業し、これまで8,000人以上の健康をサポート。腸セラピスト養成講座では150人以上の腸セラピストも育成。著書に『神秘の小腸力』があります。SNSでは腸に関する情報も発信中✉️✨

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